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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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La Biblioteca di Babeleシリーズ第10巻、蒲松齢「聊斎志異」読了。蒲松齢(ほしょうれい)の「聊斎志異(りょうさいしい)」と読みます。バベルの図書館における唯一の東アジア作品、要するに縦文字文化圏小説。聊斎というのは作者の号および書斎を指しているとの事

とはいっても蒲松齢「聊斎志異」と曹雪芹(そうせっきん)「紅楼夢(こうろうむ)」の中から何編か選ばれた短編集。メインは「聊斎志異」だけど、後半には 「紅楼夢」からの作品も入ってる。ボルヘスによると、中国で「聊斎志異」が占める地位は西洋で「千夜一夜」の書が占める位置に匹敵するとの事

「考城隍(氏神試験)」「長清僧(老僧再生)」「席方平(孝子入冥)」「単道士(幻術道士)」「郭秀才(魔術街道)」「龍飛相公(暗黒地獄)」「銭流(金貨迅流)」「褚遂良(狐仙女房)」「苗生(虎妖宴遊)」「趙城虎(猛虎贖罪)」「夢狼(狼虎夢占)」長いので続く

「向杲(人虎報仇)」「画皮(人皮女装)」「陸判(生首交換)」以上が「聊斎志異」から。「夢の中のドッペルゲンゲル」「鏡の中の雲雨」以上が「紅楼夢」 から。つまり「聊斎志異」から14編「紅楼夢」から2編の計16編。ちなみに()内は訳題になってるけど、なんか厨二病な雰囲気

バベルの図書館全集を読もうと決めた時に最も難儀するだろうと思ったのがこの本だった。中国小説なんか全然知らないです。道教文化なんて風水しか馴染みないです。そして「氏神試験」の冒頭「宋公、諱は燾(とう)という」を読んだ瞬間に蘇る漢文用語、書き下し文

だが、想像以上に読み易かった…読む前の拒否感が半端じゃなかったせいもあるかもしれないけど。ボルヘスも認める「簡潔で非個人的な報告口調と、諷刺的意 図」のせいで、西洋の幻想小説が怪異に巻き込まれ混乱する印象ならば、中国の幻想小説は怪異や不思議は不思議のまま受け入れる印象

なので、最初のうちはどうしても拍子抜けしてしまう。1編が短いせいもあるが、人物の心裡描写があまりないので。「魔術街道」あたりからこちらも耐性がついてきて面白くなってくる。個人的には「魔術街道」「人皮女装」「生首交換」が読み易くて面白かったな

さて、この編纂にはやたらと「虎」の字が目立つのだが、これは多分ボルヘスの趣味だと思う。「創造者」の中に収録されてる「夢の虎」や「別の虎」という作 品、バベルの図書館シリーズ22巻「パラケルススの薔薇」収録「青い虎」っていうのもあるし多分探せばもっとありそう。この人、虎大好きです
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