ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。
飽き性だからいきなりやめるかも
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新潮文庫、ライナー・マリア・リルケ「マルテの手記」読了。「断片的感想、備忘ノート、散文詩の一節、過去の随憶、触目の風物描写、日記、手紙などを一冊にまとめあ げた手記体の小説」と新潮の裏表紙に書いてあるけど、小説というより随筆といった方が近い。詩や書簡で知られるリルケの唯一の長編小説
題名のマルテという名は無名のまま夭逝したノルウェーの詩人オプストフェルダーがモデルだけど、リルケはこの人の事よく知らないらしく、リルケ自身の手記 とも取れる(けど、それが本当に正しい読み方かはわからない)。裏表紙の通りはっきりとしたストーリーはない。一応一部と二部に分かれてるけど
「人々は生きるためにこの都会へ集まって来るらしい。しかし、僕はむしろ、ここではみんなが死んでゆくとしか思えないのだ」という冒頭から泣きそうになる。地方から都会へと夢や希望を持って大学や会社を選ぶ人々。リルケは詩集も読んだけど、繊細であるが故の不安感や孤独感を書くのが上手だと思う
あとがきでは訳者の大山定一が「このような小説を書かねばならなかったリルケを不幸な作家だと思った」と書いている。リルケは痛ましい作家だと思う。例えば一時的に酒や色に溺れてくれたら気休めになっただろう。時々、道を踏み外してくれた方が幸福である人というのがいる
ルー・ザロメは「マルテの苦しみは、あたかも蝸牛が奇形な瘤のように殻をくっつけて歩いている姿に他ならぬ」と言う。蝸牛の殻は取ってしまえば死んでしま うが、蝸牛自身は奇形な殻が無くなった美しい姿を夢見ているかもしれないと。蝸牛が生きるためには奇形な殻を大きくしていくしかないのだ
リルケの作品のすごい所はすごく孤独だし悲しいのに読後感がすっきりしている所だと思う。悲しい事から目を逸らす事無く見つめてあげようという気持ちにな る。救われないから綺麗なままなのかもしれないけど。自分が孤独だと思ってる人はすんなり入っていくかも。物語じゃないと読めない人には辛い
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