ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
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飽き性だからいきなりやめるかも
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岩波文庫、ヴィクトル・ユーゴー「死刑囚最後の日」読了。ギロチンとは人道的に人を殺す目的において、フランスで作られた処刑道具。「人道的に殺人する」というなんとも矛盾した道具であるが、そのギロチンに上がる事になった男性の視点から書かれた話
「レ・ミゼラブル」はパンを盗んで投獄された男の物語であるが(こんな長い本は当然のごとく未読である。子供の時に「ああ無情」は読んだ気がするけど)、今回の物語は語り手の男の犯罪は一切明かされていない。名前も出されず、ただただ恐怖や絶望感に満ちている
ユーゴー自身は1829年、無名でこの作品を発表したが、発表から3年後の1832年に本作の序文を今度は名前入りで発表する。序文に書かれているのは死 刑制度に対する批判と廃止の訴えだった。19世紀フランスにおいて死刑方法はギロチンによる斬首刑のみで、死刑=ギロチンという事になる
フーコー「監獄の誕生」において身体刑の凄惨さを知った後では、斬首刑がいかに人道的見解から考案されたものであるかがわかるが、当の死刑囚からしてみた ら結末は変わらない。序文においてパミエにおいて五度斬首を受けた囚人の事例が紹介される。斬首刑も一度で死ねなかったら拷問と変わりない
はしがき、本文の後に序文を持っていくという発表順に収録されているのが良かった。何も覆す事ができない絶望と、もしかした赦免されるかもしれないという一縷の希望とで、焦燥感たっぷり。読む前にwikiのギロチン処刑の手順を読んでおくと最期の場面はなんかもうやばい
序文でユーゴー自身が本作品への思いを書いてくれてるのでわかりやすい。2007年にやっとフランスでの死刑廃止が決まったけど、これだけ時間がかかったという訳だ。解説で豊島さんが言ってるけど、やはり翻訳が少し古い感じがする。もっと逼迫した言葉使いのがいいな
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