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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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宗教改革の真実 (講談社現代新書)

講談社現代新書、永田諒一「宗教改革の真実 カトリックとプロテスタントの社会史」読了。16世紀初めのドイツにおける識字率は3、4%、都市部でも5%程度だったが、16世紀終わりには50%にまで上昇した。その一端を担ったのが宗教改革、プロテスタントの集団読書と活版印刷であると

集団読書とは、要するに字が読める人の所に行って読んでもらうというスタイル。さらに、プロテスタントはパンフレットの布教のために新技術に目をつけ、そ れが木版画や銅版画だった。挿絵入りの冊子なら理解しやすいだろうという事で普及された。これは後の活版印刷へと発展する

そこで思想の宣伝のために風刺漫画のような挿絵を用いてカトリックを批判した。中世以来ローマ法王は王や皇帝より上の存在という事で三重の王冠がシンボルとなっていたが、三重の王冠を被った悪魔のイラストが出回る。堕落したカトリックを批判してるんだってさ

一方宗教改革者ルターもシンボルが出てくるんだけど、普通の修道士だから伝統的なシンボルがある訳じゃなく、どんどん作り出されていくようになる。修道士と剃髪「真面目で信頼に値する人」の記号から、大学教授であった事から博士の帽子「偉大な英知の持ち主」の記号へ

壁龕(ニッチュ)を額縁のように配置し「肖像に入れられるほど偉大な人」の記号へ、最終的には頭上に鳩が飛び光背(ニンバス)が描かれ、もうただの修道士どころじゃない人へと昇華していった。風刺画の影響力ってすごい

題名からは堅そうな印象を受けるけど、読んでみるとすごくわかりやすい(だって新書だし)。筆者がドイツ専攻という事もありドイツ中心に展開していく。 よって一つ一つの国がどうこうっていうのはあまり書いてないのが少し残念。尤もこの頃の「国」なんて戦争ばっかりでわかんないけど

牧師(プロテスタント)が結婚できて神父(カトリック)が結婚できない理由とか、カトリックにミサがあってプロテスタントにミサがない理由とか、そういった事がわかったような気がする。ルターも結婚したかったんだろうね。さらさら読めて面白かったです
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