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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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電子書籍、夏目漱石「こころ」読了。初めての夏目漱石です。僕の使っている青空文庫のアプリには閲覧数によるランキングがあるのだけれど、2位に大差をつけての1位 の作品がこれだった。やはり教科書で扱う作品と言うのは大人になってから読み返す人が多いみたい。僕は読んだ事はなかったのだけど

正直に言えば夏目漱石なんてお札の肖像画に使われているような人は僕にとって無意識に拒絶の対象である。メジャー過ぎるし、教科書で扱うような作品なんて いかにも文学という感じだろうから。例えるならギター始めたいという人に「じゃあビートルズ聞けよ」って言うようなもので、別にそれでも良いけど

各部の題名がだいたいの物語の説明にもなっているのだろうけど「上 先生と私」「中 両親と私」「下 先生と遺書」の三部構成で書かれている。上は語り部である「私」と主人公である先生との出会い、中は「私」の両親との関係、下は先生から届いた遺書につい て書かれる(そのまんまだな)

海外では「「こころ」は同性愛小説である」なんていう論文があったり同性愛小説にカテゴライズされたりしているらしいのだけど、僕もそれに少し共感してし まった。恋愛の三角関係は同じ人を取り合うと言う意味において、嫉妬や愛憎の感情を喚起させ一種の同性愛的感覚も起こり得るか

「私は過去の因果で、人をりつけている。だから実はあなたも疑っている。しかしどうもあなただけは疑りたくない。あなたは疑るにはあまりに単純すぎるようだ。私は死ぬ前にたった一人で好い から、他を信用して死にたいと思っている。あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたははらの底から真面目ですか」

「精神的に向上心がないものは馬鹿だ」という名台詞があるけど、こっちの台詞の方が好き。前半は無駄で遺書の物語にしてしまった方が良いという意見もある が、この文がある限りそんな事言って欲しくないなぁ。でも遺書が長過ぎて少し無茶な部分もあるからなぁ…半分遺書だし、どれだけ分厚いんだよって

結局この小説では明治以前の日本と新しい時代の価値観の違いを書いているらしいけど、そんな難しい解釈や考察は国語の先生に任せておけば良い訳。僕はドラ マチックな遺書の部分よりも、先生のミステリアスさが「私」視点で語られる前半部分の方が明らかに好きです。捻くれた本ばかり読んでるせいか
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