ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。
飽き性だからいきなりやめるかも
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集英社新書、谷川渥「廃墟の美学」読了。ちょっと前に日本でも廃墟ブームがあったけど、本書は日本の廃墟よりも西洋の廃墟を中心に展開していく。ルネサンスから近代の 廃墟までふれてるんだけど、新書だから個々の章の内容は早足。その代わりに巻末の参考文献の量はすごいのでやはり入門編かなといった感じ
ローマの景観を描き続けた18世紀の画家にピラネージという人がいるんだけど面白かった。ちょうどこの頃のローマは発掘作業だか何だかで正に荒廃した廃墟だったんだけど、すごい緻密に描かれてる。調べたら国立西洋美術館で5月に展示やってたみたい。行けば良かった
さらに面白かったのがユルスナールが言ってるピラネージの廃墟画と解剖学の関係性。廃墟=解剖された屍体、廃墟画=解剖図という見方は興味深い。剥落した 壁と皮膚を剥がされた人体は類似してるかもしれない。家屋にも骨がある。ルネサンス画家は積極的に解剖してたけど、あの頃はロマニズムも重なる?
ロンドンの大英博物館から歩いて十数分の場所にあるサー・ジョン・ソーンズ美術館は1回の入場制限があるけど無料で入れる美術館。所狭しと展示物が置かれ 一種の空間恐怖的な雰囲気を醸し出している。ピラネージの作品もいっぱいある。行ってみたいなぁ、美術品に囲まれてみたい
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新潮文庫、リルケ「若き詩人への手紙 若き女性への手紙」読了。個人的に「若き女性への手紙」よりも「若き詩人への手紙」の方が印象に残った。ここでの若き詩人というのはフランツ・カプスという詩人らしいが、詳しい事は知らないし解説にも特に詳しい事は書いてない
美術や文学のような業界は最近だと「先生」とか「師匠」みたいな立場の人があまりいないように思える(音楽はそうでもないかも)。才能がある人が独自の力でぱっと出てくるイメージなんだけど、昔は工房で先生の仕事を手伝ったりだとか、有名な先生に作品を送ったりしてたよね
「もしもあなたが書くことを止められたら、死ななければならないかどうか、自分自身に告白して下さい」こんなふうに力強く自分を導いてくれる先生がいたら創作者の自信になると思う。ここでの若き詩人はカプス君に限らず全ての創作者に向けられている助言なのだろうと思う
岩波文庫、ノヴァーリス「青い花」読了。ハインリヒの夢の中に出てきた青い花を求めて旅をするという話なんだけど、どれが現実でどれが夢の話なのか、誰が何の話をしているのか、ごちゃごちゃになるんだけど、なんかもうこれはこの浮遊感のままで良いんだと思う
ガルシンの「紅い花」読んだ時から目を付けてたんだけど。エックハルトに影響受けたって事で読んでみたけど難しかったなぁ。ノヴァーリスのゾフィー体験というのがキーワードなんだろうけど、事前知識ないとさっぱりわからないな
ノヴァーリスの恋人で婚約者だったのに、幼くして亡くなってしまったゾフィーを青い花に例えているんだろうなとは思う。明確な花の種類は書かれてないけど、青い花って永遠とか奇蹟とか大層な花言葉多いし、関連してるんだろうなぁとは思うけど…ちょっと僕の頭が悪過ぎる
講談社学術文庫、マイスター・エックハルト「神の慰めの書」読了。少しずつ読み進めていった説教集。エックハルトの思想には「受容」が大きく占めているせいもあってかどこ までも優しい。「神を思考の中に持ち続ける事は人間性にとって不可能事であり、はなはだしく困難であり、また最善の事でもない」
現代思想としてはそこまで革新的な事のようには思えないかもしれないけど、13世紀頃の人がこう言っているとなれば話は別で。神の名の下に命を棄てた人や殺された人も沢山いた時代にこんな事を言ってしまうって本当にすごいと思う
「もし私が存在していなかったらば、「神」も存在しなかったであろう。神が「神」である原因は私なのである。もし私が無かったら、神は「神」でなかったで あろう」神ありて我ありが当たり前の時代にこんな事言っていたら異端審問も仕方がない。今でもカトリックの人からは批判食らいそうな気がする
キリスト教の神学者なのに、棄却や離在という仏教や禅に近い思想を持っている点もすごい。時代背景もあるのかな。最近では禅の思想なんか日本以上に海外で 有名になっている気がするけど、正にこんな感じなんじゃないかなとも思う。この人は700年くらい先の考え方をしていたんじゃないだろうか
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