ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。
飽き性だからいきなりやめるかも
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紀伊國屋書店、E.ホブズボウム、T.レンジャー「創られた伝統」の1~3章と7章及びあとがき読了。やはり専門書はよほどの限り興味あるとこしか読まない。といってもこれは章ごとに独立した論文集みたいな感じなのでその読み方でも大丈夫、なはず、と思うんだ…
「伝統」は昔から受け継がれてきたものと思われているが実はそうでもないんだよという事を論じた論文集。主に英国における実例を取り上げ、「伝統」が創り 出された様子を追う。とカバーの折り返しを要約。読んだ所は主にスコットランドのタータンについてとウェールズの「文化的独自性」について
タータンと言えば最近ではファッションにも取り入れられているけど、本来はスコットランドの高地で発達したチェック模様の事。1746年にカロデンの戦い がありジャコバイト(名誉革命の反革命勢力)を制圧したのだけど、反乱の再発を恐れ、結束力を弱めるためにタータン禁止令を出したんだって
禁令は約35年続いたけど、その間にタータンはほとんどなくなってしまった。制圧成功だね。禁令解除後には氏族毎に新しいタータン模様を定めたんだって。これは19世紀半ば~20世紀半ばに定着。そういう意味で新たな伝統を人工的に創り出した事になる。という事かな
タータンって70sロンドンパンク勢がよく着てたんだけど、スコットランドがイギリス建国時に反抗した事を1970年代では政府への反抗の象徴として着た 事が始まりでもある訳で。同じ服の集団ってなんか怖いよね。パンクスとか暴走族とかね、なんかブライトンの暴動を思い出したわ
あとはウェールズ。「ウェールズは政治的国家じゃないからそうした国家が欠如してる故に過去の回復、過去が欠けている場合は過去の捏造に注ぎこむように駆り立てた」と結論に書いてある。民族意識を高めるためにウェールズの伝統を創り出したという見方でしょうか
ウェールズ、イギリス国旗にも入ってないし、独自の民族意識を創りたいと思っても無理はない気がする。17世紀イングランドのユーモア作家、風刺作家から ウェールズ語は「不気味で醜い言語」とか言われてたらしく、ウェールズのウェールズ大好き学者ピューエがそれを嘆いてウェールズ語研究に取り組む
そしたら当時の英語辞典よりも4万語も多いウェールズ語辞典が出来ちゃったらしく(いくつかの言葉もこの時ピューエが創ったとか何とか)、それで人々はウェールズ語の純粋性、建国以来の伝統、無限の豊かさに熱中した。らしい
何気にウェールズ語も禁止令が出ていたらしく、でも英国国教会の普及を急ぐイングランドは教会内だけなら使っても良いよって事で、ウェールズは讃美歌や教 育を通してウェールズ語を守ったのでした。そんなこんなでウェールズは「歌の国」とも呼ばれているそう。イングランド、さっきから身勝手ですな
ここからは本に書いてないので勝手に調べてみた。結局ウェールズ語は話す人が年々少なくなっていき、1960年代辺りからウェールズ語の保存運動が始まっ たらしい。さて、割と最近になってくれば僕もわかってくるのだが、大ブリテン島に住んでいる以上、ロックンロールの影響は避けられないと思うんだ!
60s~70sに青春時代を過ごしたウェールズのバンドと言えばManic Street Preachers、ウェールズ出身のバンドなら有名な方なはず。南部ウェールズ出身のバンドなんだけど、初期は政治的な歌が多いパンクっぽいバンドで、 英語でウェールズの事を歌っていた
英国音楽シーンって出身地を強調するのが多いと思うんだけど(マッドチェスターとか)マニックスはウェールズ出身である事を隠す感じだった。日本語の解説 文はリッチー・エドワーズって書いてあるんだけど、英語ではリッチー・ジェームズって書いてあったり(ジェームズ姓はウェールズに多いから)
ウェールズ性を隠す事でウェールズの問題を浮き彫りにするっていうやばい格好良いんだけど、リッチーがいなくなってからは逆にウェールズ性を強調し出して あんまり好きじゃない(話逸れてきた)、で、マニックスを筆頭にウェールズのバンドは一杯出てきて、スーファリとかステフォとか出たんだよ
そんでスーファリなんかは全部ウェールズ語歌詞のアルバムとか出したりして結構高評価だったりして、話を元に戻すとピューエさん、ウェールズ語廃れなくて良かったねって事です
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