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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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映画「カラフル」鑑賞。弟が借りてきた。小学生か中学生の頃にお勧め本みたいな感じで置かれてたっけな。感想は良くも悪くも普通。でもそれは鑑賞者が大人 目線で見ているからで、原作、児童文学だろうし(読んでないし)、そもそも中学生はそんな位で自殺するのか…と考えさせられました。色んな意味で

でも、早乙女君ってキャラが肉まん食べる時に、最初は普通に半分にしようとしたんだけど少し迷ってから中心を少しずらして大きい方を小林君にあげるのは良いシーンだったな。中学生でああいう事できる奴ってなかなかいないよな
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創られた伝統 (文化人類学叢書)

紀伊國屋書店、E.ホブズボウム、T.レンジャー「創られた伝統」の1~3章と7章及びあとがき読了。やはり専門書はよほどの限り興味あるとこしか読まない。といってもこれは章ごとに独立した論文集みたいな感じなのでその読み方でも大丈夫、なはず、と思うんだ…

「伝統」は昔から受け継がれてきたものと思われているが実はそうでもないんだよという事を論じた論文集。主に英国における実例を取り上げ、「伝統」が創り 出された様子を追う。とカバーの折り返しを要約。読んだ所は主にスコットランドのタータンについてとウェールズの「文化的独自性」について

タータンと言えば最近ではファッションにも取り入れられているけど、本来はスコットランドの高地で発達したチェック模様の事。1746年にカロデンの戦い がありジャコバイト(名誉革命の反革命勢力)を制圧したのだけど、反乱の再発を恐れ、結束力を弱めるためにタータン禁止令を出したんだって

禁令は約35年続いたけど、その間にタータンはほとんどなくなってしまった。制圧成功だね。禁令解除後には氏族毎に新しいタータン模様を定めたんだって。これは19世紀半ば~20世紀半ばに定着。そういう意味で新たな伝統を人工的に創り出した事になる。という事かな

タータンって70sロンドンパンク勢がよく着てたんだけど、スコットランドがイギリス建国時に反抗した事を1970年代では政府への反抗の象徴として着た 事が始まりでもある訳で。同じ服の集団ってなんか怖いよね。パンクスとか暴走族とかね、なんかブライトンの暴動を思い出したわ

あとはウェールズ。「ウェールズは政治的国家じゃないからそうした国家が欠如してる故に過去の回復、過去が欠けている場合は過去の捏造に注ぎこむように駆り立てた」と結論に書いてある。民族意識を高めるためにウェールズの伝統を創り出したという見方でしょうか

ウェールズ、イギリス国旗にも入ってないし、独自の民族意識を創りたいと思っても無理はない気がする。17世紀イングランドのユーモア作家、風刺作家から ウェールズ語は「不気味で醜い言語」とか言われてたらしく、ウェールズのウェールズ大好き学者ピューエがそれを嘆いてウェールズ語研究に取り組む

そしたら当時の英語辞典よりも4万語も多いウェールズ語辞典が出来ちゃったらしく(いくつかの言葉もこの時ピューエが創ったとか何とか)、それで人々はウェールズ語の純粋性、建国以来の伝統、無限の豊かさに熱中した。らしい

何気にウェールズ語も禁止令が出ていたらしく、でも英国国教会の普及を急ぐイングランドは教会内だけなら使っても良いよって事で、ウェールズは讃美歌や教 育を通してウェールズ語を守ったのでした。そんなこんなでウェールズは「歌の国」とも呼ばれているそう。イングランド、さっきから身勝手ですな

ここからは本に書いてないので勝手に調べてみた。結局ウェールズ語は話す人が年々少なくなっていき、1960年代辺りからウェールズ語の保存運動が始まっ たらしい。さて、割と最近になってくれば僕もわかってくるのだが、大ブリテン島に住んでいる以上、ロックンロールの影響は避けられないと思うんだ!

60s~70sに青春時代を過ごしたウェールズのバンドと言えばManic Street Preachers、ウェールズ出身のバンドなら有名な方なはず。南部ウェールズ出身のバンドなんだけど、初期は政治的な歌が多いパンクっぽいバンドで、 英語でウェールズの事を歌っていた

英国音楽シーンって出身地を強調するのが多いと思うんだけど(マッドチェスターとか)マニックスはウェールズ出身である事を隠す感じだった。日本語の解説 文はリッチー・エドワーズって書いてあるんだけど、英語ではリッチー・ジェームズって書いてあったり(ジェームズ姓はウェールズに多いから)

ウェールズ性を隠す事でウェールズの問題を浮き彫りにするっていうやばい格好良いんだけど、リッチーがいなくなってからは逆にウェールズ性を強調し出して あんまり好きじゃない(話逸れてきた)、で、マニックスを筆頭にウェールズのバンドは一杯出てきて、スーファリとかステフォとか出たんだよ

そんでスーファリなんかは全部ウェールズ語歌詞のアルバムとか出したりして結構高評価だったりして、話を元に戻すとピューエさん、ウェールズ語廃れなくて良かったねって事です
ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

ハヤカワepi文庫、アゴタ・クリストフ「ふたりの証拠」読了。前作「悪童日記」の続編。若干前作のネタばれ注意。前作では双子の「ぼくら」を中心に物語は進んでいった。だが今作では前作ラストで離ればなれになった双子の片割れリュカを中心に物語は進む

一人になったリュカは前作の「ぼくら」よりも人間味があるように思える。が、やはり感情表現はほとんどないような文体。片割れクラウスのために手記を書き続ける。ポイントはリュカ(Lucas)とクラウス(Claus)の名前はアナグラムだという事

今作では一心同体だった「ぼくら」の事については皆何も触れず、本当に双子だったのか?二人ではなく一人だったのではないか?学校にも行かなかった「ぼく ら」には証明するものがない。他の人のレビューに「ツイン」ではなく「ダブル」だとしたら…とあるがそれが「ふたりの証拠」という題名に繋がると思う

「悪童日記」読了後すぐに続編を買ってしまった。そしてここまできたら最終作「第三の嘘」も読まずにはいられない。また意味深なタイトルだなぁ。文体に感情がない故に何のための行動かわからない事がまだ一杯ある。登場時10歳だった悪童は最早50代になってしまったが、最後はどうなるのか、楽しみです
あこがれのヴェネチアン・グラス展に行ってきた。今年はなんかガラス展が多い気がする。テーマは1450年頃ヴェネチアで開発された無色透明のクリスタルグラスのおおもととなった「クリスタッロ」というソーダガラス

ガラスは原料を混ぜ、溶かし、形を作り、冷やす事で作られる。原料の主成分は珪素でこれの比率で完成するガラスの種類が決まる。ガラスには色々種類があって、クリスタルグラスは珪素少なめ鉛多めの光の輝きが綺麗なガラスの事

ガラス形成の方法も色々あるけど、やはり目玉は当時のヴェネチアで発達したレースグラス、ダイヤモンドポイント彫、アイスクラック等。形成方法の秘密保 持、ガラスを扱う事による火災の拡大防止のため制作はムラーノ島っていう小さな島に限って行われてたらしい

特にドラゴンステム・ゴブレット作品が綺麗だった。ゴブレットはワイングラスよりも大きい水とかも飲めるサイズのグラスの事。ステムはグラスの脚の部分なんだけど、そこがドラゴン(タツノオトシゴ?蛇?ドラゴン?)風デザインになってるんだけど、職人技やばい。流石秘密保持してただけある

ヴェネチアン・グラス展という展覧会名だけどヴェネチアに限らずネーデルラント、スペイン、ドイツ、イギリス、さらには日本と海を越え、時代も1500年頃から2011年までと時を越え、歴史的価値のあるものから現代グラスアートと時を越え幅広い展示でした
新潮文庫、シュトルム「みずうみ」読了。新潮の古本で買ったけど絶版みたい。表題他「ヴェローニカ」「大学時代」収録。物語のベースは3作品とも結構似ていて、自分のものにならない女性を愛する青年と言った感じ。風景描写が綺麗。ドイツ文学ってなんか読書の秋に向いてる気がする

ちゃんとした恋愛もの読む事はほとんどないんだけど切ない系の話が多い。これぞ文学って感じだったな。「みずうみ」は若き日の恋人に寄せる儚い老人の思い 出を綴っている。主人公の名前がラインハルトなんだけどさぁ…この名前聞くと人物像が全部同じになってしまう人は少なくないと思うんだよ
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