ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。
飽き性だからいきなりやめるかも
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東京都美術館「エル・グレコ展」に行ってきた。日本で開かれたエル・グレコ展において過去最大規模のものになる。展示の見所は多数の油彩画(日本初公開のものも多い)もあるが、何よりおよそ3.5メートルの大作である「無原罪のお宿り」が展示される事
「無原罪のお宿り」の主題は今回初めて調べたのだけれど、マリア様がイエスを身籠った時に原罪が清められたという意味ではなく、マリア様が母のアンナさんに宿った時に既に原罪を免れていたという事。マリア様も情欲の交わり無しに生まれたのだという教義
ヨハネの黙示録の12章「一人の女が太陽を着て、足の下に月を踏み、その頭に十二の星の冠をかぶっていた」の、女をマリア様であるとしている考え方なので、マリア様の頭には星の冠、足元には三日月が描かれている場合が多い。あとは原罪を表す蛇とか、純潔を表す薔薇とか百合とか
この三日月なんだけれども、最初は上弦と決まってるものかと漠然と思ったけど、どうやら画家によっては下弦もあるし特に決まって無いのかな?某花王のロゴは消え行く月は縁起が悪いってわざわざ下弦を上弦に変えたのに。ちなみにこの三日月も純潔の象徴
…そもそもこの時代、月に上弦下弦の概念ってあったのかな…まぁいいや。で、エル・グレコの「無原罪のお宿り」なんだけど、とにかくその大きさに圧倒され
た。マニエリスムの特徴の引き延ばされた人体、作品の前でしゃがみ込んで見上げている人が多かった。そう見た方が聖母の顔が柔らかくなるのです
天使と聖母のうねるようなエネルギー、天を見る聖母。足元の風景は精巧に、天上世界は幻想的に、展示では見えないものを描くグレコの才能について触れた章もある。聖家族の絵とかマグダラのマリアとかね
ちなみに似た主題で聖母被昇天もあるんだけど(聖母が魂だけじゃなくて肉体を伴って昇天したよっていう話でマリア様が最初から清いというか神に近いという意味の話)、グレコは両方の主題の意味を重ねてるみたい。星の冠が省略されてるのはそういう事?
眼を奪われたのが「聖衣剥奪」(同じ絵が何枚か描かれているのでこれじゃないと思う)磔にされる直前、兵士に衣服を奪われるという内容の図なんだけど、イエスの顔が群衆より下にある事や、3人のマリアを描いた
事から批判を浴びた作品。3人のマリアって誰だと思ったけど、聖母マリアとマグダラのマリアとヤコブの母なのか、それともマリア・サロメ?
イエス様だけが天を見つめているというのが印象的です。磔刑図も穏やかな表情が印象的でした。あの輝いた眼とか、グレコの描くイエス様は堂々として穏やかで素敵ですね。「神殿から商人を追い払うキリスト」は聖お兄さんの一コマに見えてちょっと笑ってしまった
あとで磔刑図の骸骨の意味調べよう。何かであったような気がするけど思い出せない。なんで二つも骸骨あるんだろ?
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