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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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新潮社、トニー・デュヴェール「薔薇日記」読了。「フランス短篇傑作選」を読んだ時から目を付けていた作家。じゃなきゃこの作家は多分どマイナーも良い所だと思うんだ(あとがきにもそう書いてあったし)。「フランス短篇傑作選」には「小鳥の園芸師」というか「さまざまな生業」という短編が収録されてる

その中の「裁き屋」っていう短編が「罪をおかしたくてたまらなくなると、まず牢屋へ行った」っていう書き出しなんだけど、すごい書き出しだと思いません か。入獄して、幾日かもしくは幾年か経つと出獄し、裁き屋の店に行って犯罪を選んでから罪を犯すというシステム。短編じゃ勿体ない位

で、こりゃ読まねばという訳で買った本が「薔薇日記」(「小鳥の園芸師」はとても高かった)。「フランス短篇傑作選」のあとがきを読んだ時に小児性愛を扱っている作家との事で身構えてたけど(興味半分もあったけど)、裏切らなかったし想像以上だった

文章のほとんどが少年との交流(深い意味も込めて)で、あとがきにもあるが全くケレン味のない文面で、普通の男女間のそれと同じように扱われている。ここで書かれる少年達は「病める大人たちの世界、現実の象徴」であるとの事。確かにここに出てくるごくわずかな大人達は皆良くない人達だった…

作者のトニー・デュヴェールはフランスでも経歴がほとんどわからない作家で、ぐぐっても全然情報が出てこないので、何故こういう作風になったのかとか、作者の背景が僕にはさっぱりわかりません。一応wikiには自伝的小説って書かれてるけど、本当だとしたらすごいな

「謹厳居士にとって、性の悦びはこの世のあらゆるものと異なったひからびた菓子であるが、わたしにとっては社会生活そのもの、糧そのものである。……男色を堪能することを妨げられないならば、わたしは乞食になろうと、強制労働者になろうとかまわない」トニー・デュヴェール
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