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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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La Biblioteca di Babeleシリーズ第28巻、ペドロ・アラルコン「死神の友達」読了。バベルシリーズは耳馴染みのない作家が出てくる事が多過ぎて、自分の無知を通り越し、ただただボルヘスへの尊敬しか湧かない。また聞いた事無い作家だ

ペドロ・アントニオ・デ・アラルコンは19世紀スペインの作家で「若い頃は神学と法学との間を揺れ動いていたが、やがて文学へと決定的に惹き付けられる事 になる」と、序文から。神学に興味があり、修道院の書庫を漁っていたのに、熱心な反聖職主義者になったのは何故か気になる所。いや故に、か?

諸々あって政治的策略の愚劣さを思い知らされ、幻滅したアラルコンはアフリカの戦争に志願兵として入隊、その後「アフリカ戦争の一証人の日記」 (1859)が書かれ、27年もの間ロングセラーする。「それによって彼は、人気ばかりか、信じ難い事に、金銭まで手に入れたのであった」と。信じ難いっ て…

表題他、「背の高い女」という短編も収録されている。「アラルコンが山羊飼いの口から直接聞いた民間伝承である」との事。「背の高い女」とか、最近だと ネットでも似たような都市伝説あるじゃないですか。19世紀スペインからこの手のホラーあったんですか。怖いからあんまり思い出したくないけど

「死神の友達」のだいたいの粗筋。養父が亡くなり、養母から家を追い出され、恋が叶う事もなく、絶望した男ヒル・ヒルは自殺しようと濃硫酸を口に持って 行った、その時「やあ、友達!」なんて軽い感じに登場した死神(喪服を着た33歳位の中性的な男)。想像するとギャグっぽい

自称友達というだけあって、哀れなヒル・ヒルのそれまでの辛い出来事を助けるべく色々助言を言ってくれる死神。だが、ヒル・ヒルはこの妙に人懐こい死神が 登場する度にびくびくものである。死神の癖に構ってちゃんかよって言う位話し掛けてくる。結果的に助言のおかげでうまく回るのだけど

実はヒル・ヒルが自殺を試みた時に、ちゃっかり自殺は成功していた。哀れなヒル・ヒルを救うために、神は本当に死ぬまでの猶予を与えられたのであった。そして世界はヒル・ヒルが死んでから600年後、2316年、最後の審判の日、死神が怒涛のネタばれをしてくる

そんなこんなでまさかの地球爆発エンド。頭の中でドリフの盆回りの音楽が流れたわ。これ本当に19世紀の小説か?と疑いたくなる。本作は1852年、作者がおよそ19~20歳の頃の作品であるが、うん、若くなくちゃ書けないよね、こんな終わり方

翻訳者である桑名一博のあとがきに、スペイン文学との出会いが載ってるんだけど、親近感があって良い。第一印象の強烈さとか、後に同作家の他作品を読んだ 時のがっかり感とか。海外作家の本読んでると原書で読みたくなるんだけど、頑張って辞書引いて読んだのに微妙だったりとか。超素直。あるある
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