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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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La Biblioteca di Babeleシリーズ第9巻、H.メルヴィル「代書人バートルビー」読了。今まで読んだバベルの図書館シリーズで初めての短編「集」ではなく、短編1編のみの本。代書人って行政書士や司法書士の事なんだね、日本ならエリートだけど19世紀アメリカもそうなのかな

この序文でボルヘスは本作と「白鯨」との共通点と相違点を比較している。「メルヴィルのつねに変わらぬ主題は孤独である」という事を述べ、メルヴィル自身 の孤独との関連性を述べている…と僕は解釈した。「白鯨」読んでないんだよね…だって上下巻なんだよ…岩波だと中巻もあるんだよ…

法律事務所の新入社員である代書人バートルビーの物語。生気はないが上品そうな若者なので採用される事に。最初のうちはばりばり仕事をしていたのだが、所 長が口述を頼むと「せずにすめばありがたいのですが」と言ってその頼みを断ってしまう。だが、その「拒否」はどんどんエスカレートしていく…

ちなみにエンリーケ・ビラ=マタスという人の「バートルビーの仲間たち」という本の中には、バートルビー症候群というのもあって、文学的意識を持っているのに書けなくなってしまう症候群もあるらしい。小説家のジレンマというかスランプというか。案の定未読ですが

実はバートルビーの"I would prefer not to..."(せずにすめばありがたいのですが)の不服従の姿勢や抵抗の姿勢というのはブランショやジャック・デリダ、ドゥルーズやアガンベン等の錚々た る方々が考察を繰り広げているのですが、僕は一般人なので一般人の目で見た感想

どこに感情移入するかで物語に対する姿勢が変わってしまう気がする。僕は語り部である所長の方に感情移入してしまったので「なんて使えない奴だ」と徐々に いらいらしてきた。そしてそれは絶対にこの本の正しい読み方ではないので、なるべく客観的に、もしくはバートルビーに視点を当てて読んだ方が良い

結構むずむずしながら展開し結末を迎えるが、この結末しかなかったのかもしれない。もしかしたら先に考察を読んで、もしくは「白鯨」を読んでからボルヘスのように比較しても面白いと思う。ボルヘスの序文には「根本的には、この世の日常的な皮肉の一つである」と書かれていた
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