ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。
飽き性だからいきなりやめるかも
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河出文庫、マルキ・ド・サド「悪徳の栄え」(上)(下)読了。またの名を「ジュリエット物語」といって、「美徳の不幸(新ジュスティーヌ)」と対になる作品。さらに 澁澤龍彦が翻訳して猥褻文章にあたるとして訴えられた上に有罪にされたいわくつきの本…なんだけど文庫で読める時代なんだよな…
ジュリエット(姉)とジュスティーヌ(妹)姉妹は修道院で育てられたのだが、一家が破産した事で修道院から出なくてはならなくなる。そこで別々の道を歩む事になった姉妹、の、ジュリエット側の物語。「悪徳の栄え」という題のインパクトはすさまじいが内容は想像できる通り
「悪徳こそ我々人間に固有のもの、つねに自然の第一法則なのであって、それに比べればどんな立派な美徳だって利己主義的なものでしかなく、分析してみれば 実は美徳そのものが悪徳なのだ……人間における一切は悪徳なのだ」欲望を我慢する事は果たして美徳なのだろうか?それとも悪徳なのだろうか?
上巻の序盤でこう語られているが、この時点でジュリエットは既に悪徳の道に片足突っ込んでる。こんな感じの道楽者、放蕩児、極悪人達、さらに金持ち達との 出会いを通してジュリエットは悪徳の哲学と莫大な金を手に入れていく訳です。そういった意味ではジュリエットの成長を描いた作品ともいえる
なんかえろいんだろうなという用語が一杯出てくるが、読んでいるうちにニュアンスでわかると思う。調べてもいいけど、わからなくてもいい。ジュリエットが男も女もいける質なので、こう日常生活では絶対使いそうもない言葉を色々知る事ができます
最初はそれこそ放蕩に耽るというスタイルだったジュリエットが、だんだん悪に対して哲学的な姿勢を取るようになっていくというのが面白い。殺人も平気でやるのに、不思議とそんなに嫌な感じがしない…最初は読み切るか不安だったけど
下巻の最初でジュリエットが「単なる相続によって王になった人間は、人間の同情を要求する権利しかありやしませんよ」と言うくだりは清々しかった。こう いった知的な面もあるのが彼女の魅力だと思う。一方で美徳の道を歩んだ妹ジュスティーヌの物語は「美徳の不幸」にて語られる訳です
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