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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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電子書籍、小林多喜二「蟹工船」読了。数年前、ワーキングプアや非正規労働者という言葉が顕著に話題になっていた時に「現代の蟹工船」という意見が度々出 ていた。その時から多少興味は湧いていたものの、まだ日本文学アレルギーが抜けず、意味すら調べる事もなく、自分の中で言葉だけが先走っていた

読んでみて「現代の蟹工船」の意味が理解できたような気がする。だけど、ワーキングプアや非正規労働者よりも、今現在はもっと「蟹工船」に近しい仕事をし ている人達が出てきてしまっている、ように思える。この小説には明確な主人公がいない故に、全体としての労働者視点で書かれている

労働者のなんと力強い事か、現代の蟹工船、労働者はそれ程のバイタリティはないだろう。ストライキという言葉は最早死語と化し、ブラック企業という言葉が 生まれ、労働者は苦難を改善するよりもそこに順応する道を選択してしまった。そして目に見えない矢で貫かれ、自らを貫き、死んでいく

救いを残したラストだったが、果たして現在に対応させるとどうなるのか。蟹工船から80年以上経った現在、苦難に順応する事に慣れてしまった労働者に残さ れた希望とは何なのだろう。学生やニートも含む若者全般は労働に対する無気力症候群にも似た症状を呈しているのではないかとも思う
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