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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

ハヤカワepi文庫、アゴタ・クリストフ「悪童日記」読了。知ってる人は知ってるけどRPGのMother 3の主人公の双子の名前の元ネタになった小説です。3冊でシリーズになっててこれは1冊目、他の2冊はまだ持ってない

舞台は第二次大戦下のハンガリーらしいけど作中ではっきり書かれている訳ではない。双子の男の子が母方の祖母の家へと疎開する事から物語は始まる。題名に日記と書かれているが、特に日付がある訳ではなく、小劇のような小話が沢山あってそれで物語が繋がっていく

比較的子供らしい文体で書かれているせいもあって、油断しがちだけど結構えぐい。子供らしい癖に子供らしさがない。ページを捲る手が止まる事はあるけどテ ンポが良いので読み易い、続きが気になる。やんちゃ坊主の物語を想像してる人やMother 3に感銘を受けた理由で読むのは止めた方が良いかも

相変わらず古本なんだけど、1巻の「悪童日記」はよく見るけど2巻3巻は見た事ないなぁ。ハードカバーじゃなくて文庫で買ったんだけどハヤカワepi文 庫って初めて聞いた。ちなみにこの文庫本、他の文庫よりも若干サイズが大きいので市販のブックカバーだと入らない可能性があるかもしれない
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La Biblioteca di Babeleシリーズ第17巻、R.L.スティーヴンソン「声たちの島」読了。「宝島」のスティーヴンソン、「ジキル博士とハイド氏」のスティーヴンソ ン。スティーヴンソン、スティーブンソン、スティーヴンスンややこしい、今回はスティーヴンソンですね

表題他、「壜の小鬼」「マーカイム」「ねじれ首のジャケット」の4編収録。「声たちの島」「壜の小鬼」はハワイが舞台のお話。印象に残ったのは「壜の小 鬼」で、お伽噺みたいで面白かった。持っていると金も愛も名声も何でも手に入る悪魔の壜を手に入れた男。この壜は他人に売ると力を失ってしまう

さらに、手に入れたもので満足しないと災難が降りかかる。壜を売る前に自分が死んでしまうと自分は地獄に堕ちてしまう。しかも、壜は買値よりも安く売らな いと再び持ち主の元に戻って来てしまう。さて極限まで安価で売ったら?一度手放した壜を再び手に入れたいなら?こんな詐欺紛いの話を誰が信じる?

何気に制約が多いのよな、この壜。ちなみに割るっていう解決策はありません、ちゃんと本文中にも書いてある。不思議な話っぽく見えるけど、実際は手に入れちゃいけないものをどう処分したものかっていう感じだったかな
電子書籍、国木田独歩「画の悲しみ」「少年の悲哀」「忘れえぬ人々」「疲労」「牛肉と馬鈴薯」「酒中日記」読了。「酒中日記」が一番印象に残ったかな。日記形式の本って結構好き、時系列がわかり易いし日付がふってあるとそこまで読もうっていう気持ちになるから。捻くれた理由だけど重要でしょ

色んなレビューで「題名から楽しい酔っ払いの日記を想像するだろうが実は…」みたいな事書いてるけど、自分は題名見ても「楽しい酔っ払いの話」は想像しな かったな。案の定楽しい話ではないのだけれど。自分が悪くないのに周囲が悪いせいで自分まで悪人になったような気持ちになってしまう男の話

「ああ百円あったらなアと思うと、これまで金銭のことなどさまで自分を悩ましたことのないのが、今更の如くその怪しい、恐ろしい力を感じて来る。自分にその金銭が有るならば今の場合、自分等夫婦は全く助かるものをなど考がえると、金銭という者が欲くもあり、悪くもあり、同時にその金銭のために少しも悩まされないで、長閑かにこの世を送っている者が羨ましくもなり、又実に憎々しくもなる。総てこれ等の苦々しい情は、これま で勤勉にして信用厚き小学教員、大河今蔵の心には起ったことはないので、ああ金銭が欲しいなアと思わず口に出して、熟と暗い森の奥を見つめた」

植物の名前のつけかた―植物学名入門

八坂書房、L.H.ベイリー「植物の名前の付け方 植物学名入門」読了。特殊な職業に就いてない人達でラテン語をたくさん知っている人というのは、動物愛護家、園芸愛好家、昆虫愛好家だと思う。学名はラテ ン語で付けられるので知ってると色々捗るという訳。というのは表向きで単にラテン語を身近に感じたかった

例えばタバコ属はNicotiana、トウガラシ属はCapsicum、ナス属はSolanumという学名がつき、それぞれニコチン、カプサイシン、ソラニンと対応している(ナス属にはジャガイモも含まれているので)語尾が違うのは-aが女性形、-umが中性形とかそんな感じ

ケシ属はポピーと呼ばれるが、それは普通名であり学名はPapaver(パパヴェル)という。ちなみにこれもパパベリンという鎮痙薬の元になる。阿片が摂れるケシはソムニフェルム種という種で「睡眠性の」という意味がある。一般に園芸用のケシであるアイスランドポピーはヌディカウレ種で「茎に葉がない」という意味になる

百合はリリウム属に分類され、有名所のカサブランカは「種」ではなく「園芸品種」になるので学名表示はL. 'Casa Blanca'となる。タンポポはタラクサカム種に分類され、シロバナタンポポはT. albidum Dahlst.と白の意味が付加され、発見者名も付加される

普通の園芸家が読んだらおよそ間違いなくめげる。本文の3分の1は羅語表記だし、本の半分近くは羅語の属名と種名と索引。これが面白いんだけど、園芸家で 学名まで興味がある人はなかなかいない(と本文中で何回か著者が言っている)。ちなみに前述した学名命名の例や何かはほとんど触れてないので
映画「フリーダ」鑑賞。メキシコの女性画家フリーダ・カーロの伝記映画。現代美術は範囲が広く好みがわかれがちなので手を出しにくいジャンルで、それが欧米や自国ならともかく、メキシコになると興味なんてよほどの限り湧かず、だけど何となく目について見てみた

そもそもフリーダ・カーロの絵は手放しに上手と言える作品で はないし、すぐに理解できるような作品でもないし、メキシコというお国柄もわからず、あまり好きな画家ではなかった。だが、とにかくインパクトはあるの で、一度見たら多分忘れない、しかも割とグロテスクな作品も多い

彼女について知ってる事は身体がぼろぼろだったという事しか知らなかったんだけど、映画見ると絵の解釈が結構すんなりできた。実際の女優にペインティング してるのかCGなのか知らんが、絵としての作品の中に女優が入り込んでいるような加工はすごく面白く、そういう意味だったのかと理解し易い

「空飛ぶベッド」とか「折れた背骨」とかなかなかグロテスクだし、トラウマになった絵画とかに何票か入っても仕方ないと思うような作品だけど、彼女の事何 も知らないと「何これ…」だけど、表現している事はどストレートだった。無知は誤解の元。内容は重いけど、暗い映画でないので良かった
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