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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展に行ってきた。今回は新作「サヴァイヴィング・ライフ」の公開記念という名目でいいのかな。展示の副題が「映画とその周辺」という事も相まって映画関係の展示が多かった。絵コンテやメイキング映像はなかなか見られないし、面白かったです

特に気に入ったのはヤンの手掛けるオブジェ。題名忘れてしまったけどグロ可愛い感じで面白かった。あとは「闇・光・闇」で使用したセット(あの小部屋の奴)や、「ファウスト」で使われた巨大マリオネット、「アリス」のセットなんかの展示はなかなかのもの

「悦楽共犯者」の自慰マシーンも感動もの…ちょっとうるさかったけど。触覚を重要視しているアーティストだけに実際に触れる事のできる作品もあった。あと は木版や「怪談」の作品も可愛らしくて良かった。「怪談」は写真を利用した作品でこれもセンスの素晴らしい可愛い感じで良かった

「サヴァイヴィング・ライフ」の予告編も見たけど面白そうな映画だった。夢と現実の二重生活を送る男が夢の意味を探っていく物語。副題は「夢は第二の人生」、フロイトやユングのあれ系ですね。メイキングは…僕はこの人の「舌」は何で出来ているのかと思っていたけど、少しわかったかもという感じ
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電子書籍、夢野久作「ドグラ・マグラ」読了。初電子書籍読了作品、そして久々の日本文学…青空文庫が読めるようになったのでちょこちょこ日本文学も手を出してみようかという魂胆です。だからといってこれを普通の日本文学に分類していいものか…

あらすじは良いとして、感想は、とにかく読むのが疲れた。電子書籍という事もあるだろうけど、勿論原因はそこに限らず。有名なチャカポコの場面(キチガイ地獄外道祭文)は第一関門…第二関門は漢文めいたとこ(青黛山如月寺縁起)…キチガイ地獄外道祭文は一日に2ページ読むのも辛かったが最後650ページ位は一気に読んでしまった

日本三大奇書という事で多少身構えていたものの、物語は全然わからないという訳でもなく普通に面白かった。読み難い場面は多々あるものの、主人公目線で読むと翻弄されっぱなしの混乱加減に最初は眉を顰めていたがだんだん笑えてくる。これが「本書を読破した者は必ず一度は精神に異常を来たす」と言われる所以だろうか

分割して読むと、今は地の文なのか論文なのか遺言書なのか誰が語っているのかがわからなくなるので辛くても期間を空けずに読んだ方がわかり易い。本当に後 半は一気に読める、というか読まざるをえない。あと紙媒体の方がページを戻せるのでわからなくなった時に便利だろうなと思った

「最後650ページは一気に読めた」とか言ってるけど、電子書籍で総ページ数は2457ページでした。最近左腕が筋肉痛だったのはこれのせいなんじゃないかなとふと思った。あとは電子書籍は解説が付いてないのがなぁ、日本文学でも解説付いてるのが普通なのかしらないけど
La Biblioteca di Babeleシリーズ第20巻、コルタサル他「アルゼンチン短篇集」読了…微妙だったかも。「いくつかの明白な理由によって、本巻が提供する幻想はやむを えず部分的たらざるをえないが、将来必ずやこの足りないページを補う機会を得たい」(序文)からだろうか

ルゴーネス「イスール」、ビオイ・カサレス「烏賊はおのれの墨を選ぶ」、カンセーラ/ルサレータ「運命の神様はどじなお方」、コルタサル「占拠された 家」、ムヒカ・ライネス「駅馬車」、オカンポ「物」、ペルツァー「チェスの師匠」、ペイロウ「わが身にほんとうに起こったこと」、バスケス「選ばれし人」

「イスール」は再掲。だけど翻訳者が違う。「烏賊はおのれの墨を選ぶ」はSFみたいな、題名面白いけど、あんまり肌に合わなかったかも。ペルツァーの「チェスの師匠」はオチが…夢オチと同じ位神オチは罪深いと思う。ラテン・アメリカ文学難しい、ボルヘスは大好きなんだけど

「運命の神様はどじなお方」は面白かった。鉄道馬車の御者の主人公が衝突事故で跛になってしまい、御者の仕事は時代が変わり実用的というより観光的になってしまいながらも仕事を続ける。だけどまた事故ってしまい、男の口から出た言葉は?といった物語

「どうやらおれは進歩によってびっこにされてしまい、自分がびっこであるために進歩について行けず、いまやこうして退歩の見本みたいになろうとしているわ けだ」という文は怖いね。こういう団塊の世代の方々気付いてないだけで結構いるよね。そしていつか自分もそうなるんじゃないかと思うとね
La Biblioteca di Babeleシリーズ第19巻、ジャック・カゾット「悪魔の恋」読了。知的好奇心から悪魔を呼び出してしまった青年アルヴァーレと悪魔ベエルゼビュートとの恋物語。悪魔は普段は小姓ビヨンデットとして使えるがどういう事か少女ビヨンデッタとして恋をしてしまう

ベエルゼビュートは仏語なのでベルゼブブの方が通称としてわかり易い。主人公は悪魔と恋して良いものかすごく悩むんだけど、ビヨンデッタがいじらしくて可愛い。というかこの禁断さがなかったら普通の恋愛小説にも見える。クライマックス以外は

「アルヴァーレ様、あたしは心を持っている事に気付きました。あたしはあなたに驚嘆し、あなたを愛しました。けれども、あなたのお心の中に嫌悪と憎しみし か見当たらなかった時、あたしはどうなったでしょう……あたしは、あなたの愛がなかったら今尚不幸になっていたでしょう」

「あたしは……あたしは、悪魔なのです。アルヴァーレ様、あたしは悪魔なのですもの」悪魔の言葉を信じるべきか否かというのがこの話の面白い所。主人公一 人称視点で書かれているので、アルヴァーレの葛藤や惹かれっぷりが想像できるかと。ただ版によってストーリーが変わっているらしいのが…

翻訳が良いと思う。ビヨンデッタ可愛い。最初は駱駝みたいな姿で登場して老人口調だったのに、アルヴァーレに「奴隷はそんな格好じゃないしそんな口を利か ない」みたいな事言われてから「御主人様」口調になったりとか。というか設定が若干アニメっぽい気もしなくはない。そして仏文学はやっぱり面白い
La Biblioteca di Babeleシリーズ第18巻、L.ルゴーネス「塩の像」読了。ルゴーネスって人、初めて聞いた。「もしアルゼンチン文学の全過程をひとりの人物で象徴させなければならないとしたら、その人物は紛れもなくルゴーネスであろう」とボルヘスが言ってる

1874年のアルゼンチン生まれ。当時のアルゼンチンは世界五大富国の一つに数えられる程繁栄してたらしい。経済の急成長により中産階級の台頭、急進派の 武装蜂起なんかが展開され、ルゴーネスもアナーキストとして頑張ってたらしい。だがラテン・アメリカ史は全くわからなんだ

「イスール」「火の雨」「塩の像」「アブデラの馬」「説明し難い現象」「フランチェスカ」「ジュリエット祖母さん」の7編収録。全体的に古典が関係してる 作品が多い。「塩の像」は聖書、「フランチェスカ」は神曲、「ジュリエット祖母さん」はロミオとジュリエットみたいに、素地がないと難しい

「イスール」は端的に言えば猿に言葉を教えようとする話。「猿は実は人間であったが、何らかの理由で話すことをやめてしまった」というのは面白い視点だと 思う。しかも進化論よりも後にこういう事考えるっていうのが…いや後だからこそ考えられる事か。言葉を教えられた猿が何て言うのかという話

「火の雨」は突然燃えている銅の雨が降ってくる話。これはなんか想像すると綺麗で好き。世界の終わりは突然で不条理なんだろうなと思う。あと面白かったの は「アブデラの馬」とか。馬vs人間の話なんだけど、馬が暴漢のようになってた。金品奪ったり女襲う馬聞いた事ないわ、死ぬわ
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