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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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ブラック・スワンで思い出したけど、バレエと言えばドガだよね。ドガも印象派と言われているけど、屋外の作品よりも屋内の作品の方が圧倒的に多い所が他の印象派と少し違う。多くの印象派は光としての瞬間を捉えるために外に出たけど、ドガは運動としての瞬間を捉えようとしていたと

バレリーナって魅せるための身体という点においてボディビルダーやモデルと似たような美があると思う。ボディビルダーよりも優雅でモデルよりも実用的。そして題材に物語性がある。去年見に行ったけど「エトワール」にも色々裏話があったりするしね

あとヴァレリーの「ドガ・ダンス・デッサン」は詩的な感じでドガについて語ってて読み物として面白かったような記憶が。小説みたいな感じで内容あんまり覚えてないけど。友達の事で一冊本書けるってすごいなぁと思いながら読んだ
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「複製技術は、これまで一回限りの作品の代わりに、同一の作品を大量に出現させるし、こうして作られた複製品をそれぞれ特殊な状況の下にある受け手の方に近づける事によって、一種のアクチュアリティを生み出している」ヴァルター・ベンヤミン

今日芸術品は複製技術によってとても手軽に鑑賞できるようになった。よって現物を見る事は無くなった。脳内で出来上がったイメージを持って現物に近付き、 芸術的作品の一種の「欠陥(小さかったり破損してたり)」を発見し、逆に作品の鑑賞を妨げる。よって作品のアウラが失われる

多分ほとんどの人が実際の「モナリザ」を見ても大して感動しないと思うんだ。僕も含めて。あまりにあの絵を見過ぎているから、かえってサイズの小ささが目立ったりするもんだよ。本来の畏怖はもう失われてしまった。で、それがベアット・ヴィースはこの作品(イカロスの墜落のある風景)で思ったという事だ

ルネサンスは世界地図や地球儀といった世界観がはっきりした時代。人間が世界を上空から見る一種の神視点を手に入れた事で、物事の儚さを悟ってしまった時 代(=ヴァニタス)。イカロスは太陽(神)に近付き過ぎて死んだ、天使に成り損ねた少年だった。ブリューゲルは彼の翼を消し去り、海に叩きつけた

ゴッホが太陽を見つめ続ける「ひまわり」を描いたのと同じように。ひまわりは太陽に向かって背を伸ばし続け、仕舞にはその首を折ってしまう。ゴッホ自身と同じように。太陽や天に憧憬を馳せるものは燃え尽きるように消えていってしまう

結局、絵画表現がキャンバスから離れてしまった現代では複写なくしては表出される事もなくなった。筆を持たずに絵の描ける時代、作品の正しい有様とは。果たしてアウラはコンピュータの中にあるだろうか。ベンヤミンなら現代のアート(芸術)を見てどう思うかな

アートセラピーがかえって心の傷を深くなる可能性もあるとの記事から。

「絵を描くことは、子ども自身が気づいていなかった怒りや悲しみが吹き出ることがある」と指摘。特に水彩絵の具のように、色が混ざってイメージしない色が出る画材を使う際には、意図せず、強い怒りや不安が出てしまう心配があるため、注意が必要とした。

絵を描く事または詩を書く事というのは、歌を歌う事や小説を書く事よりも内省的であると思う。歌や小説は少なからず外部に晒すであろうという予測をした上 の開放を伴っている。故に絵や詩は心情の吐露の場となり易い。内省は気付かなくても良い事にまで気付いてしまう危険がある

例えば誰に聞かせるでもない独り言や口癖に個人の性格を読み取るのと同様に。人に披露するという事やメッセージ性を込める事を考えれば、芸術(アート)は確実に大衆(ある意味でのデザイン)に近付くでしょう。そう言った内省

だから芸術療法なんていうものがあるんだろうけど。アートセラピーと銘打ってるけど「療法」だからね、病気ありき。鬱屈を昇華させる事が目的だから、誰に でも効く万能薬ではないし、人によっては悪影響だと思っていながらも「出来上がる」事が楽しくて止められない事もある。麻薬みたいに

面白いのは「水彩」という例を挙げている事。彩色は絵を描かない人の想像以上に主観が介入してくる。水彩の特異すべき点は光の表現力と透明性でしょう。光 の表現は同時に闇の表現も知らずうちに可能。さらに透明性が加われば人によっては痛々しい程の心的表現が可能でしょうけど、水彩は僕、やりません
シンディ・シャーマンの3億1500万円の値段が付けられた写真

「シンディ・シャーマン」のネームバリューによるこの価値なのか。被写体の価値なのか。そこから想像される物語の価値なのか。1枚の写真に3億支払ったと いう事実が価値なのか。貧乏人1億人に認められるより金持ち1人に認められる価値とは何か。この作品の真の「価値」とは何か

ヤフオクでは無名の素人が描いたイラストが10万で落札される事もある。生前たった1枚の作品しか売れなかったゴッホは死後極東の島国で53億で自分の作 品が売れると想像しただろうか。ジョン・ケージの4分33秒に拍手を送る価値とは。芸術とは主観的なものなのか。価値はつくられるものなのか
モノクローム(mono-chrome)は直訳すれば単一の色、反意語はポリクローム(poly-chrome)で直訳すれば多様な色になる。クローム(chrome)とはギリシア語で色を意味するクロマ、フロマ(χρώμα)からきている

金属のクロムは酸化状態によって多様な色を呈する事からこの名が名付けられた。ルビーの赤やエメラルドの緑、絵具のクロムイエロー等が有名である。また、クロムは多種多様な色を呈すると共に毒性がある事も知られている

さて、この国では恋人や情人の事を「いろ」と呼ぶ事がある。同時に性欲や恋愛欲の事を「色欲」と呼ぶ事がある。この国でいう「色(いろ)」という言葉には「色彩」の意味だけでなく「愛情の対象」の意味もある。恋愛感情は色を求める感情に似ていると思う

恋愛を広義的に捉え「愛好を伴った感情」の全てだとしよう。愛に陶酔している者の中には「世界が輝いて見える」と言う者もいる。これは今まで鈍感であった色彩感覚の開花を意味するのではないか

だからね、好きなものが多い人はポリクロームの世界で生きていて、きっとその世界に見合うようなものを生み出す力を持っていると思うんだ
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