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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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夜間飛行 (新潮文庫)

新潮文庫、サン・テグジュペリ「夜間飛行」読了。新潮の表紙の絵は宮崎駿、この表紙好きだな。宮崎駿の映画は飛行機に関係する描写が一杯あるけど(紅の豚なんか正にそうだし、ラピュタとかナウシカとか)、この作品にも影響受けてたのかもしれないと思った

他の人の感想読むと「「星の王子様」と同じ作者が書いたとは思えない」という文がちらほらあったけど、そんな事ないと思う。飛行機云々とか夜や星の関連性 だけじゃなく、物語や表現の美しさや登場人物の気高さとかそういう面において、独特な感性を持った人なんだろう。この人じゃないと書けない文

「僕は七歳の時からものを書いてきた。飛行機が僕に筆を執らせたのでは決してない。僕は信じている、自分がもし炭鉱夫だったら、必ず地下に人生の教訓を掘り出そうと努力したであろうと。…飛行機は決して目的ではなくて手段だ。自分を創り上げる手段だ」サン・テグジュペリ

この人は空に生きた人というイメージが強い。一応1944年に行方不明という形で亡くなったとされていて、1998年に海中から本人のブレスレットが発見されているんだけど、この人の場合、永遠に行方不明のままだった方がロマンチックだったんじゃないかと思うんだよね
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ガラスの動物園 (新潮文庫)

新潮文庫、テネシー・ウィリアムス「ガラスの動物園」読了。去年2011年はテネシー・ウィリアムス生誕100周年で、舞台とか色々やってたみたい。まえがきで「” ガラスの動物園”は”追憶の劇”である」描かれていた通り、登場人物は過去や空想の世界で生きている感じ。明るい話ではない

ガラスの動物園っていう題名が綺麗。一番のお気に入りのユニコーンの角を憧れの人が折ってしまった場面のローラの台詞が切ない。「この子、手術をしてもらったんだと、そう思えば、いいんでしょう。角を取ってもらったおかげで――変わりものの引け目を感じなくてすむようになったんですもの」

戯曲なので場面の描写が細かく、映像が頭の中に描ける感じ。ガラスのユニコーンやブルーローズというローラのあだ名からも空想と現実の狭間というか何と言うか儚いイメージの作品でした。角の折れたユニコーンは本当に普通の馬の仲間に入れるのだろうか
絵のある人生―見る楽しみ、描く喜び― (岩波新書)

岩波新書、安野光雅「絵のある人生―見る楽しみ、描く喜び―」読了。絵に関するエッセイ。絵を見る事を美術史や美学を取り入れつつ、著者のエッセイも含みつつ、絵を描く事を技能や構図や道具の事を取り入れつつ、エッセイを含みつつ。とても丁寧に書かれている

「絵というものはうんと費用のかかるものなのに、おそらくこの仕事に携わるのはひどく貧しい人達なのだという事に気が付き始めた僕は、そのために時々悲しい気持ちになる」ファン・ゴッホ

「ゴッホのこの生き方や考え方を見てくると、絵は生活のための仕事としてできればそれもいいけれど、本来は(頼まれたのでも命令されたのでもなく)自分が自分自身のためにやってきたのではなかったか、という原点に立ち戻って考える必要があると思います」安野光雅

「食べずには生きておれないように、あるいは寝なければ生きておられないような意味で、何かしなければ生きてられないほどのものが絵の他にあるでしょうか。そう思うのは、自己暗示か、それとも病気の一種かもしれないと思うほどです」安野光雅
ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (シリーズCura)

中央法規、斎藤環「ひきこもりはなぜ「治る」のか」読了。「生き延びるためのラカン」をジョジョの人が表紙書いたというRTを見て斎藤さんの本が読みたくなった訳ですが…近くの図書館では何故か閉鎖書庫の本ばかりで、この本しかちゃんと借りられなかったのです。何故なのだ

題名には、必ずしも病気とは言えない「ひきこもり」を「治す」とはどういう事なのか?という疑問が含まれている。それだけでは病気ではないから、社会参加には様々な支援や対策が有効なのだが、治療によって「治る」事もある。それは精神分析的にどういう事かという本です

一応本書にも少しラカンの理論に触れている。ひきこもりを苦しめる要因として最大の葛藤は「生存の不安」と「実存の不安」の問題であるとここでは述べられ ている。生存の不安は金銭的な不安やいつまでこの生活を続けられるかという不安だが、実存の不安とは自信や生きがいの不安である

人は誰しも生きる上で自己愛を必要とする。これは「自分は自分である」という事だ。自己中やナルシストとは(自己愛の歪な形ではあるが)違う。精神病で自 殺が起きるのは自己愛が破壊されるからだ。自分に向かう自己愛は自信やプライドという形をとるが、なかなか一致しない。時に反比例を起こす

「プライドが高い人は往々にして自信がありません。自信がある人はプライドにあまりこだわりません」 ラカンは子供の発達段階に鏡像段階を考えていた。子供は鏡を見る事で自己の全体像を把握する。この喜びと驚きが自己愛の基礎になる。これが「鏡」が人間に とって特別なものである理由だ

生きることも死ぬこともイヤな人のための本

日本経済新聞社、中島義道「生きることも死ぬこともイヤな人のための本」読了。本人と架空の4人の人物が対話するという形式。章立ては全6章。「生きてい たくない」「世間に従いたくない」「働きたくない」「ひとから評価されたい」「ひとから愛されたい」「死にたくない」で構成

登場人物がルサンチマンに溢れている印象。自分を分解すれば一人一人が極端になるものだが、読んでる 側としては極端な印象は受ける。そして本の型式を取れば結論を書かなくてはならないので、結論に向かう形にしなくてはならないのはわかるのだけど…論は結 構堂々巡りだった気がする

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