ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。
飽き性だからいきなりやめるかも
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

新潮文庫、ライナー・マリア・リルケ「マルテの手記」読了。「断片的感想、備忘ノート、散文詩の一節、過去の随憶、触目の風物描写、日記、手紙などを一冊にまとめあ げた手記体の小説」と新潮の裏表紙に書いてあるけど、小説というより随筆といった方が近い。詩や書簡で知られるリルケの唯一の長編小説
題名のマルテという名は無名のまま夭逝したノルウェーの詩人オプストフェルダーがモデルだけど、リルケはこの人の事よく知らないらしく、リルケ自身の手記 とも取れる(けど、それが本当に正しい読み方かはわからない)。裏表紙の通りはっきりとしたストーリーはない。一応一部と二部に分かれてるけど
「人々は生きるためにこの都会へ集まって来るらしい。しかし、僕はむしろ、ここではみんなが死んでゆくとしか思えないのだ」という冒頭から泣きそうになる。地方から都会へと夢や希望を持って大学や会社を選ぶ人々。リルケは詩集も読んだけど、繊細であるが故の不安感や孤独感を書くのが上手だと思う
あとがきでは訳者の大山定一が「このような小説を書かねばならなかったリルケを不幸な作家だと思った」と書いている。リルケは痛ましい作家だと思う。例えば一時的に酒や色に溺れてくれたら気休めになっただろう。時々、道を踏み外してくれた方が幸福である人というのがいる
ルー・ザロメは「マルテの苦しみは、あたかも蝸牛が奇形な瘤のように殻をくっつけて歩いている姿に他ならぬ」と言う。蝸牛の殻は取ってしまえば死んでしま うが、蝸牛自身は奇形な殻が無くなった美しい姿を夢見ているかもしれないと。蝸牛が生きるためには奇形な殻を大きくしていくしかないのだ
リルケの作品のすごい所はすごく孤独だし悲しいのに読後感がすっきりしている所だと思う。悲しい事から目を逸らす事無く見つめてあげようという気持ちにな る。救われないから綺麗なままなのかもしれないけど。自分が孤独だと思ってる人はすんなり入っていくかも。物語じゃないと読めない人には辛い
PR
La Biblioteca di Babeleシリーズ第26巻、ダンセイニ卿「ヤン川の舟唄」読了。本名はエドワード・ジョン・モートン・ドラックス・プランケットというアイルランド 人。見るからに貴族っぽいと思ったら案の定貴族だった。貴族の書く話ってなんとなく好きじゃないんだよなぁ…
表題他「潮が満ち引きする場所で」「剣と偶像」「カルカッソーネ」「野原」「乞食の群れ」「不幸交換紹介」「旅籠の一夜」の8編収録。ボルヘスは「文学 は、宇宙開闢説と神話とをもって始まる」と書いているが、これは神話になれない神話といった感じだろうか。そういった意味ではラヴクラフトっぽいか
「潮が満ち引きする場所で」は成仏できない男の話といった印象しかない。ある日友人達に殺された「私」は浜辺へ埋められる。潮の満ちては埋り、潮が引いては取り残され、誰かが遺体を発見して埋葬されてもまた誰かが掘り返し、眠る事もできず…みたいな
「旅籠の一夜」は戯曲。この人の戯曲、結構人気だったみたいね、ブロードウェイで5作品同時上演されたり。だが全体的にあまり記憶に残らなかったな…なん か貴族の書く本ってめそめそしてる感じがする、すごく偏見だけど。僕は貧乏人の話の方が好きだ、自分が貧乏人だし、家柄とかもよくわからないから
表題他「潮が満ち引きする場所で」「剣と偶像」「カルカッソーネ」「野原」「乞食の群れ」「不幸交換紹介」「旅籠の一夜」の8編収録。ボルヘスは「文学 は、宇宙開闢説と神話とをもって始まる」と書いているが、これは神話になれない神話といった感じだろうか。そういった意味ではラヴクラフトっぽいか
「潮が満ち引きする場所で」は成仏できない男の話といった印象しかない。ある日友人達に殺された「私」は浜辺へ埋められる。潮の満ちては埋り、潮が引いては取り残され、誰かが遺体を発見して埋葬されてもまた誰かが掘り返し、眠る事もできず…みたいな
「旅籠の一夜」は戯曲。この人の戯曲、結構人気だったみたいね、ブロードウェイで5作品同時上演されたり。だが全体的にあまり記憶に残らなかったな…なん か貴族の書く本ってめそめそしてる感じがする、すごく偏見だけど。僕は貧乏人の話の方が好きだ、自分が貧乏人だし、家柄とかもよくわからないから
映画「チャプター27」鑑賞。ジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマンのニューヨークでの3日間を描いたドキュメンタリー映画。感想は正直「ふーん」って感じだった。チャップマンが亡くなっている訳じゃないので悪人にも出来ずレノンファンが熱狂的過ぎてチャップマンを美化する事も出来ず…
正直僕はビートルズの熱狂的なファンではないし、そもそもビートルズ全体で見ればポールの方がry でもチャップマンの台詞なんかがキーワードになってる「ライ麦畑で捕まえて」の台詞と被ってたりしてチャップマンが作品に惚れ込んでるんだなという事はわかった。チャップマンの事もあんま知らんけど
例えばチャップマンが映画嫌いなとことか、セントラルパークのアヒルの話とか、買った女の子がグリーンのドレスだとか、でもこれ相当読み込んでないとわっかんないんじゃないか…「ライ麦」読んだ事ないと本当にチャップマンが頭おかしい人に見えるんじゃないか。ちなみに野崎さん訳を参照にしてみた
あとタイトルの「チャプター27」は「ライ麦」が全26章なのでその続きという意味らしい…あとはチャップマン役のジャレッド・レトがジャレッド・レト じゃない人になっててふいた。お前30STMの活動中どうしてたの、エモだったんじゃないの、30キロ増ってそこまでして演りたかったの…
正直僕はビートルズの熱狂的なファンではないし、そもそもビートルズ全体で見ればポールの方がry でもチャップマンの台詞なんかがキーワードになってる「ライ麦畑で捕まえて」の台詞と被ってたりしてチャップマンが作品に惚れ込んでるんだなという事はわかった。チャップマンの事もあんま知らんけど
例えばチャップマンが映画嫌いなとことか、セントラルパークのアヒルの話とか、買った女の子がグリーンのドレスだとか、でもこれ相当読み込んでないとわっかんないんじゃないか…「ライ麦」読んだ事ないと本当にチャップマンが頭おかしい人に見えるんじゃないか。ちなみに野崎さん訳を参照にしてみた
あとタイトルの「チャプター27」は「ライ麦」が全26章なのでその続きという意味らしい…あとはチャップマン役のジャレッド・レトがジャレッド・レト じゃない人になっててふいた。お前30STMの活動中どうしてたの、エモだったんじゃないの、30キロ増ってそこまでして演りたかったの…
La Biblioteca di Babeleシリーズ第25巻、C.H.ヒントン「科学的ロマンス集」読了。森毅の本に「数式無しで数学の説明をする事は数式を使う事よりも高級である」っていう言葉が載ってたけど、これは数式も特に使う事無く面白く興味深く書かれていた
「第四の次元とは何か」「平面世界」「ペルシアの王」の3編収録。そもそもヒントンとは誰なのか、日本語版wikiには載ってないのだが、本名はチャール ズ・ハワード・ヒントンという19世紀英国の数学者。「幾何学を直接的知覚の訓練として学ぶ」事に興味を持っていたらしい
僕は文系理系論で言えば勿論文系なので、うまく理解できているか不安なのだが。「第四の次元とは何か」では、我々の想像力において四次元を受け入れ易いように三次元、二次元、一次元の世界を例に出し、四次元とは何かを、時々図も挿入しながら論じていく
一次元における基本図形は「線」、二次元においては「平方(スクエア)」、三次元においては「立方(キューブ)」である事を元に、四次元における基本図形を仮に「四平方」と名付け、どのような図形であるかを考察していく
まずは点の数。線は開始と終了の2点。平方は単純に正方形で考え4点。立方には8点の角が存在する。同じ法則に従えば四平方には16の点が存在していると想像がつく。線の数は「線」には1本、「平方(正方形)」には4本、 「立方体」には12本の線がある。この法則で「先行の図形の線の数を二倍して、それに先行の図形にあっただけの点の数を加える」事で線の数がわかる。よって四平方には32本の線があると考えられる
面も同様に線は0面、平方は1面、立方体は6面。今度は1次元から2次元へと変わるには線はどういった動 きをするかを想像する。同様に2次元から3次元、3次元から4次元…と考えると四平方には24面があると想像する事ができる
結果、四平方は16の点、32の線、24の面があると想像する事ができ、出来あがった図形が気になったらwikiの四次元のページを見ればあるよ。もし4つの次元があるのだとすれば、我々に対する線や平面の関係のように、我々は四次元の存在者に対しているのに違いない
ならば我々もただの抽象世界、もしくは四次元の存在者の中の精神世界にいるのではないか、という物語というか論文みたいな感じ。「平面世界」は二次元の住 人がどのように生活するかを想像して書いた物語。平面世界の住人は振り向く事も誰かと擦れ違う事もない、奥行きがないからねっていう。面白かった
「第四の次元とは何か」「平面世界」「ペルシアの王」の3編収録。そもそもヒントンとは誰なのか、日本語版wikiには載ってないのだが、本名はチャール ズ・ハワード・ヒントンという19世紀英国の数学者。「幾何学を直接的知覚の訓練として学ぶ」事に興味を持っていたらしい
僕は文系理系論で言えば勿論文系なので、うまく理解できているか不安なのだが。「第四の次元とは何か」では、我々の想像力において四次元を受け入れ易いように三次元、二次元、一次元の世界を例に出し、四次元とは何かを、時々図も挿入しながら論じていく
一次元における基本図形は「線」、二次元においては「平方(スクエア)」、三次元においては「立方(キューブ)」である事を元に、四次元における基本図形を仮に「四平方」と名付け、どのような図形であるかを考察していく
まずは点の数。線は開始と終了の2点。平方は単純に正方形で考え4点。立方には8点の角が存在する。同じ法則に従えば四平方には16の点が存在していると想像がつく。線の数は「線」には1本、「平方(正方形)」には4本、 「立方体」には12本の線がある。この法則で「先行の図形の線の数を二倍して、それに先行の図形にあっただけの点の数を加える」事で線の数がわかる。よって四平方には32本の線があると考えられる
面も同様に線は0面、平方は1面、立方体は6面。今度は1次元から2次元へと変わるには線はどういった動 きをするかを想像する。同様に2次元から3次元、3次元から4次元…と考えると四平方には24面があると想像する事ができる
結果、四平方は16の点、32の線、24の面があると想像する事ができ、出来あがった図形が気になったらwikiの四次元のページを見ればあるよ。もし4つの次元があるのだとすれば、我々に対する線や平面の関係のように、我々は四次元の存在者に対しているのに違いない
ならば我々もただの抽象世界、もしくは四次元の存在者の中の精神世界にいるのではないか、という物語というか論文みたいな感じ。「平面世界」は二次元の住 人がどのように生活するかを想像して書いた物語。平面世界の住人は振り向く事も誰かと擦れ違う事もない、奥行きがないからねっていう。面白かった
La Biblioteca di Babeleシリーズ第24巻、ガラン版「千夜一夜物語」読了。15巻のバートン版に続いてガラン版も登場。「盲人ババ・アブダラの物語」(第875夜?)と「アラジンと奇跡のランプ」(第731夜~?)収録
アラジン…ニートか…しかも寄生型か…といかに原作と童話向けの話が違うかよくわかる。ディズニーでは願いは3つまでだった気がするんだけど。結構こうい う話多いよね、本当は怖いグリム童話も昔流行ったしね。誰が翻訳したかとか、対象を誰にするかによって昔の作品はかなり改編されていく
ボルヘスの序文に「……もともとの原文には入っていない唯一の有名な作として、アラジンと魔法のランプの話をおさめている。それはたぶん、18世紀の初 頭、ヨーロッパに『千一夜』を紹介したフランスの東洋学者、ガランがでっちあげたものであろう」…多分日本では千夜一夜物語で一番有名なのにね…
訳者井上輝夫氏のあとがき「ところが「アラジンと奇跡のランプの物語」の舞台は驚くなかれ中国である。中国の回教国での話なのである……つまり「アラジン」の物語は中国から西アフリカにまたがる広大な領域を舞台にしている訳で……当時の読者にエキゾティスムをかきたてる地理を用意したのであろう」との事
他にもランプの魔人だけじゃなく指輪の魔人も登場する等、色々アラジンの物語が崩れていった訳ですが、15巻よりこっちの方が読み易かったなぁ。知ってる話というのもあるけれど。ちなみに「盲人ババ・アブダラの物語」は教訓物語みたいな感じだった
アラジン…ニートか…しかも寄生型か…といかに原作と童話向けの話が違うかよくわかる。ディズニーでは願いは3つまでだった気がするんだけど。結構こうい う話多いよね、本当は怖いグリム童話も昔流行ったしね。誰が翻訳したかとか、対象を誰にするかによって昔の作品はかなり改編されていく
ボルヘスの序文に「……もともとの原文には入っていない唯一の有名な作として、アラジンと魔法のランプの話をおさめている。それはたぶん、18世紀の初 頭、ヨーロッパに『千一夜』を紹介したフランスの東洋学者、ガランがでっちあげたものであろう」…多分日本では千夜一夜物語で一番有名なのにね…
訳者井上輝夫氏のあとがき「ところが「アラジンと奇跡のランプの物語」の舞台は驚くなかれ中国である。中国の回教国での話なのである……つまり「アラジン」の物語は中国から西アフリカにまたがる広大な領域を舞台にしている訳で……当時の読者にエキゾティスムをかきたてる地理を用意したのであろう」との事
他にもランプの魔人だけじゃなく指輪の魔人も登場する等、色々アラジンの物語が崩れていった訳ですが、15巻よりこっちの方が読み易かったなぁ。知ってる話というのもあるけれど。ちなみに「盲人ババ・アブダラの物語」は教訓物語みたいな感じだった
カレンダー
05 | 2025/06 | 07 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
PR
ブログ内検索
アーカイブ