ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。
読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。
飽き性だからいきなりやめるかも
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La Biblioteca di Babeleシリーズ第14巻、H.ジェイムズ「友だちの友だち」読了。表題他、「私的生活」「オウエン・ウィングレイヴの悲劇」「ノースモア卿夫妻の転落」の4編収録。この人「ねじの回転」の人だよね
ボルヘスは「われわれの時代の最高級の作家の一人である」って書いているけど、正直あまり自分には合わなかったなぁ。「オウエン・ウィングレイヴの悲劇」は面白かったけど。なんかオペラにもなってるみたいだし…だが、うーん…
ていうか苦手だと思う作者の英米率高い気がする…英米文学苦手なのか…
ボルヘスは「われわれの時代の最高級の作家の一人である」って書いているけど、正直あまり自分には合わなかったなぁ。「オウエン・ウィングレイヴの悲劇」は面白かったけど。なんかオペラにもなってるみたいだし…だが、うーん…
ていうか苦手だと思う作者の英米率高い気がする…英米文学苦手なのか…
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講談社、徳井淑子「色で読む中世ヨーロッパ」読了。12世紀以降の中世ヨーロッパでの色のあり方を基本として意味合いを探る。自分は絵画の方面から探りたくて読んでみたのだけど、内容は服飾や文学寄り。絵画と服飾の色は似ているけど、顔料と染料で違うんだったなぁと思いつつ
例えば「キリスト教の修道僧の服装を想像して何色が思い浮かぶか」色々あるがそれは皆宗派が別れ、黒→ベネディクト修道会、白→シトー修道会、灰→フラン チェスコ会であり、それぞれ黒僧、白僧、灰僧と名が付いている。いずれも色彩を排除した清貧の色を表している。ドラクエでは僧侶は青だったんだが
この無彩色の流れは16世紀の宗教革命辺りで聖像破壊(イコノクラスム)と共に色彩破壊(クロモクラスム)というのが行われ、明るい色を不道徳とする流れ があったかららしい。それ以前12~13世紀は教会にステンドグラスが用いられたんだけど、それも色の解釈の違いによるとの事
本書では主に無彩色、赤、青、緑、黄、縞(ミ・パルディ)で章立てて説明しているが、個人的に面白かったのが黄色について。西洋人は昔から黄色嫌う人が多 いんだよね。日本人はイエローモンキーだし、裏切り者ユダの色も黄色、ユダヤ人の印も黄色のワッペン、ペテン師の象徴のキツネも黄色
だが、ここまで黄色が嫌われているのに本書ではその理由はわからないと纏めているので惜しいなぁと思う。結構例に出しているのは面白いのだけど、あまり納 得できないのは図版が白黒だからか。そういえば印刷本の無彩色表現もプロテスタント的禁欲主義と関係しているのではとも書いてあったっけ
禁欲主義って書くとなんか語弊があるな。「プロテスタントの禁欲」ですね。あとはシシルの「色彩の紋章」の引用がめちゃくちゃ多いので、作者の解説よりも「色彩の紋章」読んだ方が早いんじゃないかと思う…下手に現在の例を交えない方がわかり易かったんじゃないだろうか…
La Biblioteca di Babeleシリーズ第13巻、L.ブロワ「薄気味わるい話」読了。ボルヘス序文によると「彼はみずから「汚辱の小島」と呼んだイギリスをはじめ、ドイツ、ベルギー、アメリカ合衆国を、ひとなみに憎んでいた」との事。しかもその後も憎悪と罵詈の表現が続く
「煎じ薬」「うちの年寄り」「ブルール氏の信仰」「ロンジュモーの囚人たち」「陳腐な思いつき」「ある歯医者へのおそろしい罰」「あんたの欲しいことはな んでも」「最後に焼くもの」「殉教者の女」「白目になって」「だれも完全ではない」「カインのもっともすばらしい見つけもの」の12編収録
「薄気味わるい話」は新聞に連載された32の短編からなる話で、そこから12編が抜粋されている。題名からも皮肉や憎悪が滲み出ているけど、内容は清々し い程の醜悪な表現が並べられている。一読して真っ先に思った事は「この人は絶対に人間嫌いだ」という事。あと守銭奴というか吝嗇家というか…
「その老人ときたら、姿かたちを見ただけで、虫酸が走るのだ。腐り切った魂からしみ出したどす黒いもので、手も、顔も、汚れに汚れ、触れるのもはばかられ るという点では、これ以上のものは想像もつかぬというほどだった」これが「プルール氏の信仰」の冒頭なんだけどなんかもう目も当てられない
ブラック・ユーモアは割と他人事だから面白くもある面があると思うんだけど、ブロワの作品は読んでいるこちら側が普段目を逸らしているような憎悪や嫌悪み たいな負の感情を突いてくるような作品だった。「煎じ薬」「ロンジュモーの囚人たち」「あんたの欲しいものはなんでも」とか好き
田辺保氏の解説書によるとレオン・ブロワは「詩人であり、乞食であり(「恩知らずの乞食」)、巡礼であり(「絶対への巡礼」)、その血を売って生きる文字通りの貧者であった。生前のかれの声に耳傾けた者は少数だった」
日本語版wikiにも載ってないし、文庫本も出てないので(叢書は出ているみたいだけどほぼ絶版状態)、多分この全集を読まなかったら一生知る事のない作 家だった。このままだときっと闇に消えていってしまう作家だと思うので、見付けたら救い出そうと思う。作品自体は全く救いようがない内容だけど
「煎じ薬」「うちの年寄り」「ブルール氏の信仰」「ロンジュモーの囚人たち」「陳腐な思いつき」「ある歯医者へのおそろしい罰」「あんたの欲しいことはな んでも」「最後に焼くもの」「殉教者の女」「白目になって」「だれも完全ではない」「カインのもっともすばらしい見つけもの」の12編収録
「薄気味わるい話」は新聞に連載された32の短編からなる話で、そこから12編が抜粋されている。題名からも皮肉や憎悪が滲み出ているけど、内容は清々し い程の醜悪な表現が並べられている。一読して真っ先に思った事は「この人は絶対に人間嫌いだ」という事。あと守銭奴というか吝嗇家というか…
「その老人ときたら、姿かたちを見ただけで、虫酸が走るのだ。腐り切った魂からしみ出したどす黒いもので、手も、顔も、汚れに汚れ、触れるのもはばかられ るという点では、これ以上のものは想像もつかぬというほどだった」これが「プルール氏の信仰」の冒頭なんだけどなんかもう目も当てられない
ブラック・ユーモアは割と他人事だから面白くもある面があると思うんだけど、ブロワの作品は読んでいるこちら側が普段目を逸らしているような憎悪や嫌悪み たいな負の感情を突いてくるような作品だった。「煎じ薬」「ロンジュモーの囚人たち」「あんたの欲しいものはなんでも」とか好き
田辺保氏の解説書によるとレオン・ブロワは「詩人であり、乞食であり(「恩知らずの乞食」)、巡礼であり(「絶対への巡礼」)、その血を売って生きる文字通りの貧者であった。生前のかれの声に耳傾けた者は少数だった」
日本語版wikiにも載ってないし、文庫本も出てないので(叢書は出ているみたいだけどほぼ絶版状態)、多分この全集を読まなかったら一生知る事のない作 家だった。このままだときっと闇に消えていってしまう作家だと思うので、見付けたら救い出そうと思う。作品自体は全く救いようがない内容だけど
La Biblioteca di Babeleシリーズ第12巻、G.マイリンク「ナペルス枢機卿」読了。表題他、「J・H ・オーベライト、時間-蛭を訪ねる」「月の四兄弟」の3編収録。最近はこのシリーズ読んでると「これはボルヘス好きだろうな」って好みがわかってきて面白い
ボルヘスの序文は「科学のなかに幻想的なものの可能性を探求した同時代の若いウェルズとは違って、グスタフ・マイリンクは、魔術のなかに、いっさいの機械仕掛を超えたところに、その可能性を求めた」とあった。マイリンク自身が錬金術とか占星術とか好きだったみたい
「ナペルス枢機卿」は青の結社員っていう禁欲セクトの創始者の物語で、一夜にしてトリカブトになってしまったという伝説的な人物。これに出てくるアコニトゥム・ナペルス(Aconitum Napellus)という花はヨウシュトリカブトの事。実際にちゃんとある植物だよ
植物の学名とか調べるの結構好きなんだけど、アコニトゥムっていうのはトリカブト属につく学名なんだよね。修道士の頭巾とか呼ばれたりもしてるんだけど、 なんかその辺りから物語と繋がってるような感じがして、ナペルス枢機卿って人はもしかして実在したんじゃないかって感じで面白かった
ボルヘスの序文は「科学のなかに幻想的なものの可能性を探求した同時代の若いウェルズとは違って、グスタフ・マイリンクは、魔術のなかに、いっさいの機械仕掛を超えたところに、その可能性を求めた」とあった。マイリンク自身が錬金術とか占星術とか好きだったみたい
「ナペルス枢機卿」は青の結社員っていう禁欲セクトの創始者の物語で、一夜にしてトリカブトになってしまったという伝説的な人物。これに出てくるアコニトゥム・ナペルス(Aconitum Napellus)という花はヨウシュトリカブトの事。実際にちゃんとある植物だよ
植物の学名とか調べるの結構好きなんだけど、アコニトゥムっていうのはトリカブト属につく学名なんだよね。修道士の頭巾とか呼ばれたりもしてるんだけど、 なんかその辺りから物語と繋がってるような感じがして、ナペルス枢機卿って人はもしかして実在したんじゃないかって感じで面白かった
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