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ヴィレの個人用呟き備忘録。美術や読書なんかを中心にまとめるよ。 読むのならあまり信用しないで、気になったら自分で調べた方が良いよ。 飽き性だからいきなりやめるかも
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La Biblioteca di Babeleシリーズ第5巻、ジャック・ロンドン「死の同心円」読了。表題他、「マプヒの家」「生命の掟」「恥っかき」「影と光」の5編収録。「死の同心 円」はイタリア語版からとったもので、原題は「ミダス王の従者」っていらしい

ジャック・ロンドンってイギリス人じゃないのかよ…真っ先にそう思った。なんかどの話も人死ぬし、しかもこの人ジャーナリストだったからか妙に現実的で、どうせ死ぬなら清々しく死んでくれって思った。個人的にはどうしても合わなかったなぁ…
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La Biblioteca di Babeleシリーズ第4巻、フランツ・カフカ「禿鷹」読了。短編集というか掌編位の短さの話も収録されている。2ページ位で終わってしまう話もあってすらすら読めた。岩波から出てる「カフカ短篇集」に入ってる話もいくつかあった

表題他、「断食芸人」「最初の悩み」「雑種」「町の紋章」「プロメテウス」「よくある混乱」「ジャッカルとアラビア人」「十一人の息子」「ある学会報告」「万里の長城」の11編収録。岩波に入ってるのは「雑種」「町の紋章」「禿鷹」「プロメテウス」「万里の長城」の5編

純粋に面白かった。正直カフカなんて「変身」が全てだと思ってたけど短編面白い。「変身」もそうだけど書き出しが魅力的で惹き付けられる。ボルヘスはカフ カの作品について「服従」と「無限」の強迫観念に支配されていると言っている。カフカの作品は無限に続くヒエラルヒーで構成されていると

ただ、これだけ掌編短編が面白いとなると長編はどうなんだろうなぁ…逆に間延びしちゃわないだろうか…と本棚の「審判」を見ながら思った。もうしばらく眠らせておこうか…
La Biblioteca di Babeleシリーズ第22巻、ホルヘ・ルイス・ボルヘス「パラケルススの薔薇」読了。突如として巻数を無視したのはただの気まぐれ。シリーズの中のエキ ストラ本で編纂者の短編も編んでしまおうという編集者もとい図書館の裏館長の粋な計らいで編まれた叢書

表題他、「一九八三年八月二十五日」「青い虎」「疲れた男のユートピア」「等身大のボルヘス」「ボルヘス年譜・書誌」収録。4つの短編にインタビューあ り、年譜ありのこれまでと趣向が変わった編まれ方が成されている。個人的には表題の話と「一九八三年八月二十五日」が好きだな

何より素晴らしいのは、「個人図書館(Biblioteca personal)」っていうボルヘスの選書百選をキオスクで売ろうっていう企画があったんだけど、そのリストが収録されている事。錚々たる面々の聞いた 事もないような作品群の中に何故か「伊勢物語」ボルヘス、本当にすごい

「百歳にもなると、人間は愛や友情に頼らずにすむ。様々な災厄や不本意な死に怯える事もない。芸術や、哲学や、数学のいずれかに精進したり、独りでチェスの勝負を楽しんだりする。その気になったら自殺する。人間が己れの生のあるじならば、死についても同じである」

っていう文が「疲れた男のユートピア」の中に引用文として載ってるんだけど、何の引用だろう。この人なら勝手に架空の本作ってそこから引用したりとかしそうなので深追いはしないけど

ボルヘス作品には迷宮のイメージが付き纏うのだけど、それはボルヘスにとって困惑の象徴らしい。迷宮って耳馴染みのある言葉だけど、史実としては未発見 だって和泉雅人「迷宮学入門」に書いてあった。繰り返し同じような道を通る事の困惑や、方向転換の多さの困惑はボルヘス的だと思う
紀伊国屋書店、ジャンケレヴィッチ「イロニーの精神」読了。通称:分類できない哲学者と呼ばれるジャンケレヴィッチ先生の著作で、多分一番入手し易い本だと思う、絶版だけど。この人の本はそもそも日本語訳の本が稀少且つすぐに絶版になってしまうので入手が難しいのです。内容も難解だし

この人は生粋のインテリなので、具体例のほとんどが文学作品か音楽作品でそっちの教養がないと難しい。文学はともかく、音楽作品に関しては有名所しか知ら ないので大変だった。「メンデルスゾーン、リストはまだ良いとしてチマローザって誰!?」みたいなのが何度あったかわからない

「イロニーを吐く者は笑う人よりも自由である」何故ならイロニーは危険と戯れ、偽りの恐怖を装うが、笑う人は泣く必要がないから急いで笑うという事がしば しばあるから。これは危険を警戒しているつもりであり、危険を出し抜く事を目論んでいる。みたいな感じで、イロニーについてイロニーをもって語る

この人は一行の文章がとても長い上に、一段落がページ数を跨ぐのが普通なので読み応えはすごい。読む前に解説書なり他の哲学書を齧るなりしておかないと完 全に置いてけぼりにされる。でも、色んな哲学者や音楽家の色んな引用や比喩を使って説明しようとしてくれるのでなんか優しい印象でした

「「君」という語は、気易い、半透明な、束の間の親しさを象徴し、友人を皆同じ平面に位置させる。友人達は、互いによく知らぬ者と感じ合っていながら、お 互いに単純だと仮定している。友人達は互いにありのままを見せ合いながら、互いによく知らない。逆に「あなた」という語は謎を大切にしている」ウラジミール・ジャンケレヴィッチ

「空はあまりに青く、あまりにおだやかに、/海はあまりに碧く、空気はあまりにしずかだった」っていうVerlaineからの引用文があって「え、ヴァーライン?テレビジョン?」とか思ってたらヴェルレーヌだったという勘違い

自殺について 他四篇 (岩波文庫)

岩波文庫、ショーペンハウアー「自殺について」読了。表題他、「我々の真実の本質は死によって破壊せられえないものであるという教説によせて」「現存在の虚無性に関する教説によせる補遺」「世界の苦悩に関する教説によせる補遺」「生きんとする意志の肯定と否定に関する教説によせる補遺」の5編

正直、あまり自殺云々という事は書いてない。表題で勘違いして釣られる人も多いだろうし、僕もその一人。ていうか自殺を罪悪と見なすキリスト教に対する糾 弾というか非難の方が強い。自殺について肯定も否定もしてないといった印象。時間論と死についての本(この人の文読むと大抵時間論関わってくる気がする)

あと「我々の~」の中の余興としての小対話篇に登場するトラシュマコスが「僕は、僕は、僕は生きたいのだ!」って言っててなんか可愛かった(プラトン「国 家」に出てくるみたいだけど未読)この台詞でぐぐったら英語で(I, I, I want to go!)って出て思わず突っ込んだ

個人的に三大厨二病御用達哲学者の一人(ちなみにあとの二人はまぎれもなくニーチェとキルケゴール)。元々「パレルガ・ウント・パラリポーメナ」っていう 随筆と言うか小論集の中に収められているだけあってコラム的に読める。安いし薄いし。影響受けてる作家とかの思想知ってればもっと読み易いと思う

でも、それであるが故に「あの本のここに書いてある(から読め)」という、こっちの勉強不足を突いてくる感じ。岩波文庫の青本は訳が古いから、格調は充分 伝わってくるけどこれ一冊で完全に理解するのは難しい。哲学書なんて一冊で理解出来っこないし、この人の考え方でいくと翻訳本も許されないので
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